動き回るキャラクターAIは、周囲をどうやって認識しているの?

知識表現とは

ゲーム世界においてキャラクターが自在に動き回れるのは「知識表現」という手法を織り込んでいるからです。知識表現(Knowledge Representation)とは人工知能において、人間の知識を計算機が扱えるようにするための表現形式のことです。この表現形式をゲームの世界に導入する際、多くの示唆を与えてくれるのが、生態学的心理学の有名な創始者ギブソンが提唱した、アフォーダンスという概念です。

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アフォーダンス(affordance)とは、環境が動物に対して与える「意味」のことです。それは当該動物にとって価値がある、環境が保持する「意味」ということです。 アメリカの知覚心理学者ジェームズ・ギブソンによる造語であり、生態光学、生態心理学の基底を構成する概念です。

人間は生活履歴の中で、身体を通した経験から環境にある「意味」を読み取っていきます。しかし人工知能は直接、世界を認識することが苦手です。そこである対象に対する知識の形は人間が決定し、またその内容をあらかじめ与えることで、認識の代わりとしようとする発想が生まれました。これを実現するための手段が知識表現です。

例えば、リンゴに対して「赤い」「甘い」「丸い」「軽い」「食べることができる」「切ると中身が白い」という知識をあらかじめ表現してデータ化しておき、タグ付けしておきます。これを用いて人工知能はリンゴを認識、理解します。

運動とその意思決定という局面を想定すると次のようなことになります。たとえば部屋の中に箱がある。そこで「動かせる」という情報と、それをどちらに押せば動くか、というベクトル(方向)をその箱オブジェクトに持たせておきます。同様にスイッチがあれば、それを「押す」ことができて、それによって何が起こるかという情報を「スイッチ」オブジェクトそのものに付与しておきます。その行動可能性の情報を利用して、人工知能はゲーム世界で、活動することができます。(エンティティ – iCardbook|知の旅人に https://society-zero.com/icard/426008

 


どうやってキャラクターAIが、周囲を認識し、ゲーム世界の中をキャラクターが動き回れるようにするのか。その課題に応えるアフォーダンス理論と、実装の手段である知識表現について解説した参考文献(書籍)を紹介しましょう。

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■参考文献(書籍)リスト

(参考文献のもっと詳しい内容は、書籍タイトルをクリック。関連知識カードもクリックするとコンテキスト(文脈)がわかりとても便利。)

アフォーダンス入門
 ◎関連知識カード
 ・アフォーダンスと知識表現
エージェントアプローチ人工知能 第2版
 ◎関連知識カード
 ・キャラクターのプランニング

デザインの生態学
 ◎関連知識カード
 ・アフォーダンス
人工知能のための哲学塾
 ◎関連知識カード
 ・エンティティ
 ・アフォーダンスと知識表現
 ・アフォーダンスとゲーム

人工知能の作り方
 ◎関連知識カード
 ・知識表現
生態学的視覚論
 ◎関連知識カード
 ・アフォーダンス


 

◎これは『人工知能と人工知性(三宅陽一郎)』の「第六章 環境認識と行動と人工知能」の参考文献(書籍)をリスト化したものです。


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◎『人工知能と人工知性(三宅陽一郎)』の章別参考文献リストに戻る

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