アフォーダンスと知識表現

アフォーダンス情報は、知識表現の中で最も重要な情報の一つです。アフォーダンス情報を生物は自ら獲得しますが、人工知能がそれを認識するのには、たくさんの情報解析が必要です。※I):もし対象の側がその情報を提示してくれるなら、人工知能はその難しい部分の処理を大幅に削減すると同時に正確を期すことができるようになります。たとえばロボットに座ることができる場所を発見させることは、アフォーダンス情報なしには難しいでしょう。

生物学の「作用指標」、生態学的認知科学の「アフォーダンス」、人工知能の「知識表現」はほぼ同じことを指しています。オブジェクトに対するアフォーダンス情報を頼りに、人工知能は対象に対する行動を組みあげることができます。


■参考文献
アフォーダンス入門――知性はどこに生まれるか』  佐々木 正人 二〇〇八年

人工知能のための哲学塾』  第二夜・第四章 人工知能における主体と客体  三宅 陽一郎 二〇一六年

デジタルゲームのための人工知能の基礎理論」 三宅 陽一郎 日本バーチャルリアリティ学会誌 、VOL.18 NO.3、二〇一三年

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
人工知能と人工知性

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I. :もし対象の側がその情報を提示してくれるなら、人工知能はその難しい部分の処理を大幅に削減すると同時に正確を期すことができるようになります。たとえばロボットに座ることができる場所を発見させることは、アフォーダンス情報なしには難しいでしょう。