エンティティ

エンティティとはゲームを構成する要素のことを言います。

ゲームの環境(地形や物を含めてレベルデザインと言う)に、その生物が認識するべき情報、つまり知識表現を埋め込んでいきます。ちなみにこの「埋め込んでいける」ことはデジタル空間ならではですが、最近ではIoTデバイスの進化によって同様のアプローチが現実でも可能です。

環世界の言葉で言えば「客体」、ゲームの言葉で言えば「エンティティ」に、その生物が認識するべき「知識表現」情報をあらかじめ埋め込んでおくことで、その情報を利用して行動することができます。※I):たとえば部屋の中に箱がある。そこで「動かせる」という情報と、それをどちらに押せば動くか、というベクトル(方向)をその箱オブジェクトに持たせておきます。同様にスイッチがあれば、それを「押す」ことができて、それによって何が起こるかという情報を「スイッチ」オブジェクトそのものに付与しておきます。その行動可能性の情報を利用して、人工知能はゲーム世界で、現実的に活動することができます。


■参考文献
人工知能のための哲学塾』  第一章・第二節 「オブジェクトの抽象化・階層化」  三宅 陽一郎 二〇一六年

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
人工知能と人工知性

アイカードブック(iCardbook)

 

 

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I. :たとえば部屋の中に箱がある。そこで「動かせる」という情報と、それをどちらに押せば動くか、というベクトル(方向)をその箱オブジェクトに持たせておきます。同様にスイッチがあれば、それを「押す」ことができて、それによって何が起こるかという情報を「スイッチ」オブジェクトそのものに付与しておきます。その行動可能性の情報を利用して、人工知能はゲーム世界で、現実的に活動することができます。