運動の四つの生成段階

ベルンシュタインは人間の運動を研究し、「四つの生成段階」を発見、整理しました。

レベルA（緊張のレベル）：身体の静的な姿勢のための微調整（動的平衡）

レベルB（筋——関節リンクのレベル）：関節の連合による運動の原型の生成（動作のリズム）

レベルC（空間のレベル）：その運動を周囲の空間に合わせる

レベルD（行為のレベル）：運動を連鎖させて行為を作り出す（連鎖構造）

これらは、生物が進化の中で獲得して来た運動の進化の序列でもあります。※^I)：レベルAから、運動の可能性をBに広げ、それらをレベルCで空間の構造に従って変形させ、レベルDで時間軸に沿って連鎖させてきました。人間の運動はこれらの階層が協応して構築されます。時間と空間の中で運動が展開することを段階に即して整理して示しました、これは、動物の運動がどのように生成されるかを解明したきわめて重要な知見です。

■参考文献
『デクステリティ巧みさとその発達』　　ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ベルンシュタイン　二〇〇三年

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすＡＩ—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。