以上を要約すれば、イスラーム経済は、ネットワ－クの外部性に依存していたということである。そのことによって、イスラーム経済は「規模の経済」を享受した。

財と人の高い流動性と国際性をもつイスラーム世界は、技術革新と情報収集において最先進地域であり、そのことが、イスラーム世界に高度な経済発展をもたらすとともに、イスラーム経済に独自のパタ－ン、基調、色彩を刻印した（第二巻第３章）。

参考文献：
『イスラム世界の経済史』　第二部第１章第１節：生態系・地理的立地　　加藤博（NTT出版、2005年）
『ヨーロッパ覇権以前―もうひとつの世界システム』上下　　ジャネット・L.アブー=ルゴド　佐藤次高ほか訳（岩波書店、2001年）
A. Watson, Agricultural innovation in the early Islamic world: the diffusion of crops and farming techniques, 700-1100, Cambridge: Cambridge University Press, 1983

□参照知識カード：
イスラーム経済を理解するキーワードとは
ネットワーク外部性

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★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序　もうひとつの「市場と公正」　Vol.3　基本概念・基礎用語編』を構成している「知識カード」の一枚です。

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