イスラームの弁証術の「護教的」性格

イスラームは、神の唯一性と無謬性を前提とする。それゆえに、イスラーム教徒である限り、神の啓示であるコーランと、それに準じる聖典である預言者ムハンマドの言行(スンナ)を否定することはできない。

したがって、イスラームの弁証手続きとは、コーランとスンナから、いかに複雑な現実社会に適用できる実定法的な法規範を導き出すかの手順であり、その弁証は原理的にみて、全てをコーランとスンナの言説に起因させる「護教的」性格を帯びざるを得ない。

参考文献: 『イスラム経済論―イスラムの経済倫理』 第一部第8章:イスラム金融を支えるもの  加藤博(書籍工房早山、2010年)

関連知識カード/章説明他: タウヒードの社会観 4:原則と適用
スンナ


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


◎iCardbookの商品ラインナップはこちらをクリック