著者の一人である山極は、カフジ-ビエガ国立公園I):コンゴ民主共和国東部に位置する国立公園。ヒガシローランドゴリラとチンパンジーが同所的に暮らす。において同所的類人猿の研究を行った。ゴリラにもチンパンジーにも好まれる果実が少なくなる時期、彼らは何を食べるのかを見てみると、ここに違いが見えてきた。II):ゴリラとチンパンジー両方の食物レパートリーを比べてみると、果実に関しては多くの植物種がどちらの類人猿にも食べられていた。葉に関してはゴリラの方が食べる量は多いものの、主に食べられている種はゴリラとチンパンジーで共通していた。ゴリラとチンパンジーの違いが際立ったのは、むしろ主要な食物以外の部分だった。
ゴリラは、チンパンジーがほとんど食べない樹皮を食物レパートリーの中に組み込み、多種多様な種の樹皮を食べていた。対してチンパンジーは、ゴリラがほとんど食べない様々な種の昆虫や獣を捕まえて食べた。
■参考文献
『ゴリラ 第二版』第六章 二つの類人猿——ゴリラとチンパンジー 山極寿一(東京大学出版会、二〇一五年)
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註
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II. | 戻る | :ゴリラとチンパンジー両方の食物レパートリーを比べてみると、果実に関しては多くの植物種がどちらの類人猿にも食べられていた。葉に関してはゴリラの方が食べる量は多いものの、主に食べられている種はゴリラとチンパンジーで共通していた。ゴリラとチンパンジーの違いが際立ったのは、むしろ主要な食物以外の部分だった。 |