脳はエネルギーを大量に消費する

しかし、社会的複雑さによって大きな脳が適応的になったとしても、脳の増大には大きなコストが伴う。脳は、他の臓器に比べてエネルギーを多く必要とするのだI):現代人の脳は体重でいうと体全体の二パーセントしかない。にもかかわらず休息しているときの基礎代謝の二〇パーセントも脳が消費している。さらに成長期にある子どもの場合は、四〇~八五パーセントものエネルギーを脳に回している。。したがって、脳に必要な大量のエネルギーを供給するような別の進化が同時に起こらなければならないと考えられる。それはなんだろう?


■参考文献
『ヒトはどのように進化してきたか』  ロバート ボイド、ジョーン・B・シルク 松本晶子・小田亮監訳(ミネルヴァ書房、二〇一一年)原著二〇〇二年

『家族進化論』第五章・第十節 脳の大きさと生活史の変化  山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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I. :現代人の脳は体重でいうと体全体の二パーセントしかない。にもかかわらず休息しているときの基礎代謝の二〇パーセントも脳が消費している。さらに成長期にある子どもの場合は、四〇~八五パーセントものエネルギーを脳に回している。