貨幣は市場での取引の手段であるが、市場と国家のせめぎ合いの接点でもあった。貨幣が流通する根拠としては、貨幣(コ…
タグ: 文明としてのイスラム
制限すべきは金銭欲の過剰な行使
つまり、ひとは金銭欲に限らず、多くの欲望をもっている。そのなかには、邪な欲望もある。しかし、それもまた万物の創…
カリフはウンマの指導者
ムハンマドの死によって、ウンマ(イスラーム信徒共同体)に亀裂が生じた。ウンマの指導者をめぐって、対立が生じたの…
ワクフにみるイスラーム社会の経済統合システム
そして、ワクフ(イスラーム的寄進)こそ、この交換を介した経済統合メカニズムを観察するに、恰好な制度である。 ワ…
イスラーム政治論とは君主論である
政治論というと、我々は通常、政治体制、とりわけ国家体制についての議論を予想する。ところが、イスラーム世界の場合…
ムフタシブ(市場監督官)の職務
『ヒスバの書』はムフタシブの仕事を職種に規定した便覧である。 彼らの主たる任務は、貨幣交換比率や主要農作物であ…
人間の金銭欲は肯定すべきもの
人間もまた、唯一神アッラーの被造物である。イスラームの経済ビジョンも、すべてのイスラーム的言説がそうであるよう…
異教徒を包摂する「ダール・イスラーム」(イスラームの家)
イスラームの世界観では、個々のイスラーム教徒、つまり人間の存在を、すべての仲介を経ず、神との一対一の契約に基づ…
慈善ワクフと家族ワクフ
ワクフ(イスラーム的寄進)は慈善を目的とした制度であるが、慈善目的が直接的に達成されるか、間接的に実行されるか…