カリフはウンマの指導者

ムハンマドの死によって、ウンマ(イスラーム信徒共同体)に亀裂が生じた。ウンマの指導者をめぐって、対立が生じたのである。* 

この危機は、カリフ職を設けることによって、乗り越えられた。つまり、カリフはムハンマドの後継者であり、彼を指導者とすることによって、ウンマの統一性は保たれた。

参考文献:
文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第4章:権力  加藤博(東京大学出版会、1995年)
新装版 イスラム:思想と歴史』  中村廣治郎(東京大学出版会、2012年)

* その結果、スンナ派とシーア派が形成された。スンナ派はムハンマドが打ち立てた慣行(スンナ)や教えを受け継ぐことを重視した。他方ムハンマドの血統を受け継ぐことを重視したのがシーア派。


 

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