イスラーム世界では、裁判において、文書よりも証言に大きな証拠能力を認めた。また、日常の取引においても、文書契約よりも口頭契約を好んだ。

そこで、裁判において裁判官（カーディー）の前で、また、取引での契約に際して、立ち会う証人（シャーヒド shāhid）を必要とした。

彼らは、イスラーム法体系の整備とイスラーム理念の社会への浸透にともなって、専門の職業集団を形成するようになり、シュフード（shuhūd、shāhidの複数形）あるいはウドゥール（ ‘udūl、 ‘adlの複数形）と呼ばれた。

参考文献：
『イスラム世界の経済史』　第二部第２章第２節：イスラムにおける契約観　　加藤博（NTT出版、2005年）

■関連知識カード／章説明他：
シャーヒド

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★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序　もうひとつの「市場と公正」　Vol.2 市場経済における「イスラームの道」（歴史編）』を構成している「知識カード」の一枚です。

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