ケインズ経済学は、一九三〇年代の大恐慌期において、労働人口に見合った最低限の暮らしを支える雇用量が、市場での調整によっては確保できないという課題に取り組んだという点で、実物経済学の先駆と言える。ただし、彼の関心は、資源・環境制約には向けられていない。※I):ケインズ経済学では、消費性向(消費に向けられる所得の割合)、資本の限界効率(投資プロジェクトの評価)、流動性選好(金融商品の構成の判断)といった心理的な側面を固定的に取り扱うことによって、経済のマクロ指標を互いに関連づけた。
■参考文献
『雇用、利子および貨幣の一般理論』 ジョン・メイナード・ケインズ 原著一九三六年
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註
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