ハーマン・デイリーは、一九七七年の『定常状態の経済学』において、経済の適正規模の判断基準を環境の収容能力に求め、環境の収容能力内の一定の大きさに経済活動を維持する経済-定常経済を構想した。
デイリーの定常経済は、
① 一定量の人口、
② 一定量の人工物のストック、
③ これらの量は、良い生活を営むために十分であるとともに、将来にわたって持続可能であるレベルで維持されること、
④ これらの二種類のストックを維持するための物質・エネルギーのスループットは実行可能な中でもっとも低いレベルに抑えられること
という4つの特徴によって定義される。
■参考文献
Steady-State Economics、 2nd ed., Daly、 H. E. (1977), 1991, Island Press
★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか(上)視座と理念の転換』を構成している「知識カード」の一枚です。