イスラーム政治論の体系化

当時、生じていたのは、ウンマ(イスラーム信徒共同体)の理念と現実の政治単位との乖離であった。

ウラマー(法学者)は、このウンマ(イスラーム信徒共同体)をめぐる理念と現実の乖離に、イスラーム政治論の体系化でもって対処した。

それは「教」権と「俗」権の体系化であり、改めて、聖法(シャリーア)上の問題はウラマーに、政治的問題はカリフに委ねられることが確認された。

参考文献:
文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第4章:権力  加藤博(東京大学出版会、1995年)
イスラーム政治論 シャリ-アによる統治』  イブン・タイミ-ヤ 湯川武・中田考訳(日本サウディアラビア協会、1991年)
統治の諸規則』  アル=マーワルディー 湯川武訳(慶應義塾大学出版会、2006年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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