イスラーム経済知の普遍性(その1)

これらのイスラーム経済知は、イスラームという信仰にもとづいて形成されてきたものであり、その信仰を共有しない私たちにとって、自分たちの社会でイスラーム経済知を活用するのにはためらいを感じるかもしれない。しかし、イスラーム経済知の活用へのハードルはそれほど高いものではない。イスラーム金融は、ムスリム以外の万人に開かれているしくみであり誰でも利用ができる。また、現代に再生したワクフでは、イスラーム金融を通じてワクフの設定に誰でも参画できるし、受益者についても、国際イスラームNGOのワクフでは非ムスリムの社会的弱者も対象に入るようになってきている。

参考文献:
「資本主義の未来―イスラーム金融からの問いかけ」長岡慎介 『融解と再創造の世界秩序(相関地域研究2)』187-207頁  村上勇介・帯谷知可編(青弓社、2016年)
Shinsuke Nagaoka “The Future of Capitalism and the Islamic Economy.” In Stomu Yamash’ta, Tadashi Yagi and Stephen Hill eds. The Kyoto Manifesto for Global Economics: The Platform of Community, Humanity, and Spirituality. Springer, pp. 395-415, 2018.

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



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