「消極的自由」概念の問題

しかしこの概念には二つの問題がある。

一つは、「解放としての自由」という「消極的自由」の概念は、先に論じた通り何ら現実性を持たないという点だ。

もう一つは、にもかかわらずそれでもなおその実現を目指したとするならば、それは先に見た通り「破壊の狂暴」へと行きつかざるを得ないという点だ。

■参考文献
『自由論(双書 哲学塾)』  井上 達夫 二〇〇八年


★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。