金融商品の高度化(その2)

アメリカでは、自分の家を持つことがアメリカン・ドリームと呼ばれる経済的成功の第一歩だという考え方が貧富の差にかかわらず根強く残っている。そのため住宅ローンへの高い需要が存在していた。しかし、商業銀行による住宅ローンの審査は厳しく融資を受けることは容易ではなかった。投資銀行は、この住宅ローン需要に目を付け、住宅資金の借り手に対する債権を小分けにして投資家に証券として売り出すことでリスクを分散させる手法を作り出したのである。これが証券化*である。

参考文献:
「証券化」がよく分かる(文春新書)』  井出保夫(文藝春秋、2003年)

*キャッシュ・フローを生む資産(上記の例では住宅ローンが資産で、それが生み出す返済や利払いがキャッシュ・フロー)を有価証券に組み替えて第三者に売却することで実現する、資金調達の方法(上記の例で資金調達するのは投資銀行)。

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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