市場と予想(その1)

モノやサービスの価格の相場がわからないとき、人は相場の予想を立てることになる。その予想は入手可能な様々な情報にもとづいて立てられる。今年は雨が少なかったから農産物の価格が上がるだろうとか、テレビでバナナが健康に良いと言っていたからみんなが欲しがって価格が上がるだろうとかいった情報である。

しかし、相場の予想に使われるのは、こうしたモノを取り巻く情報だけではない。ときには、他人が立てた相場の予想(についての自分の予想)も、相場の予想に大きな影響を与えて、それが相場自体を大きく動かすことにもつながるのである。

参考文献:
バブルの物語―暴落の前に天才がいる』   ジョン・ケネス・ガルブレイス 鈴木哲太郎訳(ダイヤモンド社、1991年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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