なぜ大脳化が起きた?

なぜ人類の脳がこれほど大きくなったのかについて、これまでいくつかの仮説が提示されてきた。そのひとつがロビン・ダンバーの「社会脳仮説」だ。彼は、霊長類の集団の大きさと大脳新皮質比I):大脳新皮質比とは、大脳において新皮質とそれ以外の部分の比率を指す。一般に、大きな集団をつくる霊長類種ほど大脳新皮質比が大きくなっている。とに相関があることを見出し、社会的な複雑性が脳の増大に影響を与えたのだと主張した。


『人類進化の謎を解き明かす』  ロビン・ダンバー 鍛原多惠子訳(インターシフト、二〇一六年)原著二〇一六年

『ことばの起源——猿の毛づくろい、人のゴシップ』  ロビン・ダンバー 松浦俊輔・服部清美訳(青土社、一九九八年)原著一九九七年

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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I. :大脳新皮質比とは、大脳において新皮質とそれ以外の部分の比率を指す。一般に、大きな集団をつくる霊長類種ほど大脳新皮質比が大きくなっている。