現代に残る互酬と再分配

近代以降、経済活動の多くの部分が市場化され、資本主義のしくみが優位に立っていった。しかし、経済システムが完全に資本主義によって覆われたわけではなく、互酬や再分配のしくみも周縁的ではあるものの残存した。互酬については、第1章第4節「019 互酬とは何か」で触れた冠婚葬祭におけるお金のやりとりに加えて、寄付やボランティア活動といった相互扶助のしくみが、社会的弱者を救済する重要な役割を今でも担っている。

参考文献:
相互扶助の経済―無尽講・報徳の民衆思想史』  テツオ・ナジタ 五十嵐暁郎監訳(みすず書房、2015年)

□関連知識カード:
 互酬とは何か

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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