最近の氷期は約二万二千年前に起き、一万年ほど続いた。この間、熱帯雨林の分布は赤道付近に限定されていた。この氷期の間もアフリカ大陸に残ったわずかな熱帯雨林を「レフュージア(退避地)」と呼ぶ。
その後中新世の後半(約一千万年前)以降、強い寒冷化・乾燥化が地球全体を襲った。
この間、平均気温は短いスパンで上下を繰り返していた。寒く乾燥した氷期には熱帯雨林が狭まり、サバンナや砂漠が広がった。
霊長類など熱帯雨林に適応した動物種は、レフュージアに残るか、開けたサバンナに進出するか、選択を迫られたのである。
■参考文献
『「熱帯雨林」総論』 T・C・ホイットモア 熊崎実・小林繁男監訳(築地書館、一九九三年)原著一九九八年
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