ロボティクスにおいてもゲームキャラクター製作においても、身体を持つ人工知能の要請から、身体知つまり生物固有の身体に根差した知能という課題が射程に入ってきます。※I):生物が「身体の運動によって(あるいは運動を通じて)世界を知っている」という単純な事実を、人工知能がいかに取り込むかは難題です。「モーション・プランニング」(運動計画法)や「アフォーダンス」と言った技術はまだアルゴリズムレベルの断片的なものでしかありません。ただ人工知能が自分の身体とその運動を主観的に総合的に認識しながら、行動を決定するようにするなら、それが身体性を持つ人工知能です。
しかし知能は決して一枚岩ではありません。身体に根差す知能、そしてそこから徐々に身体から自由になって行く知能が、複数組み合わさっています。
■参考文献
『人工知能のための哲学塾』 第五夜 メルロ=ポンティと知覚論 三宅 陽一郎 二〇一六年
AI最前線の現場から【スクウェア・エニックス】 キャラクターの身体を作る 三宅陽一郎 二〇一六年
★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。
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註
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