アフォーダンス

アフォーダンスとは、環境がその知能に対して持つ価値のことです。

つまりアフォーダンスはその知能が持つ生態に応じて形成されます。ある生物がある環境の中で生きようとする時に、浮かび上がる姿を「環世界」と言い、それを心理学の側から見ると「アフォーダンス」という、そういう関係になります。

アフォーダンスはまたゲームキャラクターが環境を認識する時に重要なキーワードです。※I):「環境のアフォーダンスとは、環境が動物に提供するもの、良いものであれ悪いものであれ、用意したり備えたりするものである。アフォーダンスという言葉で私は、既存の用語では表現し得ない仕方で、環境と動物の両者に関連するものを言い表したいのである。この言葉は動物と環境の相補性を包含している。」(引用:ギブソン『生態学的視覚論』 サイエンス社、一九八六年)

知識表現の中にアフォーダンスを持たせておくことで、キャラクターは世界における行動可能性の知識を獲得します。※II):「リンゴ」は「食べることができる」、「車」は「運転することができる」、「弓」は「放つ」ことができる。ある部屋に入って「リンゴ」「車」「弓」を見た時には、それぞれの対象に応じた行動をアフォーダンス情報経由知ることができ、その一つを選択することが意思決定となります。


■参考文献

生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る』  ジェムズ・ギブソン 原著一九七八年

デザインの生態学 新しいデザインの教科書』  後藤 武、佐々木 正人、深澤 直人 二〇〇四年

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
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I. :「環境のアフォーダンスとは、環境が動物に提供するもの、良いものであれ悪いものであれ、用意したり備えたりするものである。アフォーダンスという言葉で私は、既存の用語では表現し得ない仕方で、環境と動物の両者に関連するものを言い表したいのである。この言葉は動物と環境の相補性を包含している。」(引用:ギブソン『生態学的視覚論』 サイエンス社、一九八六年)
II. :「リンゴ」は「食べることができる」、「車」は「運転することができる」、「弓」は「放つ」ことができる。ある部屋に入って「リンゴ」「車」「弓」を見た時には、それぞれの対象に応じた行動をアフォーダンス情報経由知ることができ、その一つを選択することが意思決定となります。