身体性と生物の主観的世界

生物は身体を持ち、身体を通して環境を認識しています。これは重要な知見です。

またあらゆる体験は身体を通して得ていますので、あらゆる経験は身体的だと言えます。身体によって生物はこの世界に根を下ろしています。生物の主観性の起源は身体に対する自覚にあるとも言えます。

そして生物はそれぞれ固有の身体とそのあり方で環境に属しており、 その身体とあり方(生態)に従い、環境にある各対象と固有の関係を結んでいます。ユクスキュルは生物が内面から世界をどのようと捉えているかを探求し、生物が形成する固有世界を「環世界」と名づけました。


■参考文献
生物から見た世界』  ヤーコプ・フォン・ユクスキュル 原著一九三四年 ※I):系統樹モデルによる生物進化の一元論を退け、個体から類におよぶ生物の多元性と、環境への多様な適合性を実証した書。生命=機械論の根底にある物理化学的還元主義をくつがえし、「環境」「対世界」「機能環」という三つの概念によって生物学に認識論的基礎を与えた名著。[編集部]

動物の環境と内的世界』  ヤーコプ・フォン・ユクスキュル原著一九〇九年

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

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I. :系統樹モデルによる生物進化の一元論を退け、個体から類におよぶ生物の多元性と、環境への多様な適合性を実証した書。生命=機械論の根底にある物理化学的還元主義をくつがえし、「環境」「対世界」「機能環」という三つの概念によって生物学に認識論的基礎を与えた名著。[編集部]