金儲けと宗教

私たちは、一般に、商売による金儲けは、聖なるものから一番かけ離れた俗なる行為の最たるものであり、宗教とは相容れないものだと考えがちである。多くの宗教では、商売を忌避する思想や禁欲や節約が説かれている。例えば、初期仏教では、出家修行者は世俗の商売に関わることは堅く禁じられていた。また、新約聖書のマルコによる福音書では、「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通るほうがまだ易しい」(第10章第25節)と述べられている。

参考文献:
聖書』  聖書協会共同訳(日本聖書協会、2018年)
宗教と社会倫理』第3章:普遍的宗教の経済倫理  中村元(岩波書店、1959年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



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