イスラームは聖俗一元論

これを難しく表現するならば、近代西欧が聖俗二元論の立場に、イスラームが聖俗一元論—アラビア語でタウヒード(神の唯一性)という—の立場に立っているということである。このことは、同じく唯一神を信じる宗教を基盤に形成された社会ながら、近代西欧とイスラーム世界では、知のありかた、ひいては社会秩序原理をことにしていることを示している。

参考文献:
文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第4章:権力・第2節:イスラム政治は「法による統治」  加藤博(東京大学出版会、1995年)
増補新版 イスラームの構造 タウヒード・シャリーア・ウンマ』  黒田寿郎(書肆心水、2016年)

関連知識カード/章説明他:
タウヒードの社会観 1:個・部分と集団・全体
タウヒード


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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