信仰とビジネスの両立

イスラーム金融の開発に取り組んだ人々は、リバー禁止の2条件の遵守に加えて、もう1つの使命に直面した。それが信仰とビジネスの両立である。

イスラーム金融は、書いて字の如くイスラームの教えに則った金融活動である。しかし、それは単なる信仰の発揚にとどまるのではなく、ビジネスとして商業的に成功し、資本主義に代わる持続可能なオルタナティブとなることが求められたのである。そうした信仰とビジネスの両立を実現するべく、様々なバックグラウンドを持つ人々がコラボレーションしてイスラーム金融の開発を担うことになったのである。

参考文献:
「何が/誰がイスラーム金融を作るのか―理念と現実をめぐるダイナミズムと多様性」長岡慎介 『現代のイスラーム法』  アジア法学会編(成文堂、2016年)
「イスラーム金融を作る―法学者たちの静かなる革命」長岡慎介 『現代中東の宗教・メディア・ネットワーク―イスラームのゆくえ』  千葉悠志・安田慎編(春風社、2021年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



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