関税撤廃と規制緩和

市場化を推進する人々は、関税や参入規制のような市場での自由な売買を阻害するものを撤廃することによって、市場の価格メカニズムにもとづく最適な富の分配を実現しようとしたのである。それが1980年代から進められてきた市場化である。

先ほどの例でも、農業ではTPP(環太平洋パートナーシップ協定)などの貿易協定によって関税の撤廃などの貿易の自由化が進められていたり、タクシーでは道路運送法の改正(2002年)によって参入規制が緩和され、より自由な参入が認められるようになったりしている。

参考文献:
ゼミナール国際経済入門(改訂3版)』  伊藤元重(日本経済新聞社、2005年)
ミクロ経済学1 市場の失敗と政府の失敗への対策』第3章:余剰と参入規制  八田達夫(東洋経済新報社、2008年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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