市場経済と参入規制

市場での自由な売買を阻害する別の典型例は、参入規制である。これは、ある市場に参入する事業者の数を抑えることで競争を緩和し、その事業者の儲けを確保するものである。

例えば、タクシーは、2002年まで道路運送法の規制によって営業区域内で一定の数しか営業ができなかった。これはより安い運賃で営業をしたいタクシー会社の参入を拒むものであり、参入済みの事業者は安定した儲けを得られる反面、消費者は高止まりした運賃を払わなければならなかった。

参考文献:
ミクロ経済学1 市場の失敗と政府の失敗への対策』第3章:余剰と参入規制  八田達夫(東洋経済新報社、2008年)
規制緩和は悪夢ですか―「規制緩和すればいいってもんじゃない」と言いたいあなたに 』  三輪芳朗(東洋経済新報社、1997年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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