イスラーム経済は流通と消費の経済

近代資本主義は生産の経済であり、その経営単位である企業は膨大な設備投資を必要とし、高い固定資本比率を特徴とした。

これに対してイスラーム経済は基本的に流通と消費の経済であり、必要とされるのはもっぱら運転資本であるため、交換のメカニズムは高度に発展したものの、資本の蓄積システムは発達しなかった、というよりも、発達させる必要がなかった。

参考文献:
「イスラーム市場社会の歴史的構造」加藤博 『比較史のアジア 所有・契約・市場・公正 (イスラーム地域研究叢書)』  三浦徹ほか編(東京大学出版会、2004年)
クリフォード・ギアツの経済学―アジア研究と経済理論の間で (社会科学の冒険(4))』  原洋之助(リブロポート、1985年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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