欲望の分散

欲望のあり方を一元的に規定しようとしてくる資本主義の力学に対して、さらには、その力学をそもそも可能にしてしまうわたしたちの欲望それ自体に対して、これを分散させる力学を対置すること。

これがドゥルーズとガタリの戦略だったのだ。※I):ドゥルーズとガタリは西欧の伝統的な哲学や近代的な知の階層的体系を批判し、より横断的・流動的な「リゾーム」、「ノマド」などの概念を提唱したことで知られるが、『千のプラトー』の「序――リゾーム」において、「本」とはそもそもどのようなものであるか/であるべきか、ということについての叙述がなされている。実は「共著」という形態そのものが、「リゾーム」のひとつの表現形態でもあり、それがそのまま、現代社会の「システム」に対する彼らの事提げでもあったのだ。[編集部]

■参考文献
『千のプラトー──資本主義と分裂症』  ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ 原著一九八〇年

★この記事はiCardbook、自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (下)未来構築の実践理論』を構成している「知識カード」の一枚です。

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I. :ドゥルーズとガタリは西欧の伝統的な哲学や近代的な知の階層的体系を批判し、より横断的・流動的な「リゾーム」、「ノマド」などの概念を提唱したことで知られるが、『千のプラトー』の「序――リゾーム」において、「本」とはそもそもどのようなものであるか/であるべきか、ということについての叙述がなされている。実は「共著」という形態そのものが、「リゾーム」のひとつの表現形態でもあり、それがそのまま、現代社会の「システム」に対する彼らの事提げでもあったのだ。[編集部]