イスラームは宗教と世俗の区別を認めない

近代資本主義は宗教と世俗の区別を前提にしている。これに対して、イスラームはこの区別を認めない。イスラームが単なる宗教ではなく、イスラーム教徒の生活全般を律する規範であるとはよく言われる。それは、イスラームが、キリスト教での教会や仏教の寺のような、超越的な神と人間の日常生活での営みとを仲介する組織を認めず、人間は、聖俗に関係なく、神の啓示に直接、従わねばならないからである。

参考文献:
文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第4章:権力・第2節:イスラム政治は「法による統治」  加藤博(東京大学出版会、1995年)
イスラーム文化―その根柢にあるもの (岩波文庫)』  井筒俊彦(岩波書店、1991年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


◎iCardbookの商品ラインナップはこちらをクリック