寄進行為はどの宗教でもみられる。それでは、ワクフは他の宗教や文明の寄進行為と比較して、どのような特徴があるのであろうか。それを整理すると、次の5点に整理できる。
その1.ワクフの設定は、まずなによりも宗教的精神の発露としてなされた。
このことは、ほかの宗教や文明での寄進と同じである。しかし、ほかの宗教や文明での寄進との違いは、この行為が信徒の善意に任されるのではなく、イスラーム教徒の守るべき五つの宗教的義務の一つである喜捨(ザカ-ト)として宗教法(シャリーア)で明文化されていることである。
参考文献:
『文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第6章:宗教・第3節:イスラム社会に普及するワクフ 加藤博(東京大学出版会、1995年)
『イスラム世界の経済史』 第二部第5章:ワクフ(寄進)制度にみるイスラム市場社会 加藤博(NTT出版、2005年)
★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。
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