[コラム]性格はシナプスで決まる?

これは、佐々木 拓哉(東京大学)氏の、『脳と情報——神経回路と記憶のメカニズム——』の「コラム」」を公開したブログ記事です。


コラム~性格はシナプスで決まる?

私たちが外の世界をどのように受容し、行動や動機、感情といった出力を生みだすかは、神経回路で決まります。

神経細胞どうしのつなぎ目はシナプスですので、膨大な数のシナプスの強さと繋がり方の組み合わせが最も重要です。皆が興味を示すものに興味を示さなかったり、特定のものに強く固執するといった性格面も、入出力を担うシナプスが過剰に抑制されたり、強化されたりすることが一因である可能性が高いと言えます。

実際、対人コミュニケーションの困難さや限定された行動を主症状とする自閉スペクトラム症では、シナプス伝達の興奮と抑制のバランスが正常とは異なることが要因の1つと考えられています。それらの全貌を解明するには、まだまだ多くの研究が必要ですが、人の性格もシナプスに依存する、と考えれば、いろいろな人との付き合いも少し楽になるかもしれません。

目次構成:

◎全体の目次構成:
はじめに
推薦文(池谷裕二)
第一章 脳の情報処理を知るには神経回路を知る必要がある
第二章 神経回路の基本的な構造と機能
第三章 神経回路を調べるための実験技術
第四章 神経回路における感覚情報の流れ
第五章 神経回路における多様な入出力パターン
第六章 記憶と学習の神経回路
第七章 脳の自発活動と神経回路
第八章 今後の神経回路研究
おわりに

□知識カードの例:(第一章 脳の情報処理を知るには神経回路を知る必要がある)~アイカードブック(iCardbook)は知識カードを編成した電子書籍です。

1 脳機能の一般的説明
2 脳機能の一般的説明 その二
3 脳機能は単一の脳領域だけでは説明できない
4 脳機能は単一の脳領域だけでは説明できない その二
5 脳機能は単一の脳領域だけでは説明できない その三
6 脳機能は単一の脳領域だけでは説明できない その四
7 神経細胞(ニューロン)レベルの研究の必要性
8 脳は神経細胞の集合である
9 脳機能は神経回路から生まれる
10 脳機能は神経回路で説明できる その二

 

『脳と情報——神経回路と記憶のメカニズム——』はアイカードブックの一冊です。

◎脳の原理を「神経回路」の視点から解説した、あまり他に例のない脳神経学の本。「神経回路」の視点から考えることで、たとえば、人工知能との違いも見えてくる。

 

■アイカードブック(iCardbook)については、こちらをどうぞ。

アイカードブック創刊の狙い | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/5063

本のネットワーク化 – iCardbook|知の旅人に http://society-zero.com/icard/network

日本人の情報行動の変化と<本>の未来 | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/7396/#4

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