人間は、その知能が保有する「遅延の構造」によって、物質的な存在から「精神的次元を備える」存在へと進化してきました。
反射的なものから、物質を超えた精神的な次元のものまで、生物は内部に階層的な知能を持ち、複数の行動の選択肢が内側から提案され、意識はそれを選び取ります。
選び取る。ここに知能が内部から体験する「自由意思」があり、或いはそれに準じる「自由意思」があるという感覚があります。しかしそれは客観的に区別できるものではないのです。
環世界の生成する主観性の中で、生物は複数の行動の選択肢を提示され、それを選択することに対して自由を感じます。選択性は自由性の起源でもあるのです。
■参考文献
『来たるべき内部観測 一人称の時間から生命の歴史へ』 松野 孝一郎 二〇一六年
「イマージュのもうひとつの (内)」 平井 靖史 『哲学の探求』 第 33号 211116年 5月 (99‐ H6)
「自由意志」は存在する(ただし、ほんの0.2秒間だけ):研究結果|WIRED.jp [編集部]
★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。