ことばは他者を前提にしている

デカルトの方法的懐疑やその結論は、『方法序説』のタイトルで出版された。つまり、デカルトは我が思想を他者へ伝えようとしたのだ。

デカルトが「われ思う故にわれあり」と考えたとしても、そのことを他人と何らかの形で共通する言語で記述しないと、その内容はだれにも伝わらない。デカルトの方法的懐疑やその結論が『方法序説』などの形で記述され、出版されたということは、デカルトの思想が他人の存在を前提としていたということにほかならない。


■参考文献
『環境と経済を再考する』 第一章・第四節 西洋哲学と物質的側面  倉阪 秀史 二〇〇六年

『他者のロゴスとパトス』  三井 善止 二〇〇六年[編集部]

★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか(上)視座と理念の転換』を構成している「知識カード」の一枚です。

なぜ経済学は経済を救えないのか
なぜ経済学は経済を救えないのか

アイカードブック(iCardbook)商品一覧(他の作品も、どうぞ)