森林の価値のパラドックス

仮にアンケートによって、森林からの各種受益に対する県民の年間支払い意志額を正確に測定できたとしても、その額と森林の手入れのために必要な年間予算額とは、全く関係がない。

屋久島のような原生林と、手入れの行き届かない貧弱な人工林を比較すると、おそらく、原生林の方が高く評価されるだろう。しかし、森林の手入れに必要な今年の予算額は、後者の人工林の方が大きい。これは、矛盾している。


■参考文献
『環境と経済を再考する』 第二章・第三節 新古典派経済学の限界  倉阪 秀史 二〇〇六年

★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか(上)視座と理念の転換』を構成している「知識カード」の一枚です。

なぜ経済学は経済を救えないのか
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