カリフ その2

イスラームの歴史において、カリフが文字通り政治と宗教の両面におけるウンマの指導者であったのは、10世紀までであった。

10世紀にイスラーム時代の盛期を担ったアッバース朝が衰退すると、政治体としてのウンマはいくつもの地方王朝が併存することとなった。 地方王朝の権力者たちは、自らをカリフ、アミール、スルタンなどと名乗った。

最終的にカリフ制は1924年、オスマン帝国を消滅させたトルコ共和国によって廃止された。

参考文献:
文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第4章:権力、第5章:法  加藤博(東京大学出版会、1995年)
トルコ近現代史―イスラム国家から国民国家へ』  新井政美(みすず書房、2001年)

■関連知識カード/章説明他:
イスラームにおける宗教権威と政治権力


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.3 基本概念・基礎用語編』を構成している「知識カード」の一枚です。


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