チンパンジーの他者理解

サリー・ボイセンは、隣り合うケージに入れられた二頭のチンパンジーの片方に、隠れて仲間を吹き矢で狙っている獣医の姿を見せた。すると、そのチンパンジーは大声で叫んで仲間に危険を知らせた。しかし、両方のチンパンジーに獣医が見えているときは叫ばなかった。

つまり、チンパンジーは自分が感知した危険を仲間が知らないことを察知し、それを仲間に知らせて助けようとする能力がある。


■参考文献
『家族進化論』第五章・第四節 心の理論と利他的行動  山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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