今の霊長類、昔の霊長類

霊長類は現在、この熱帯雨林とその周辺に分布するものがほとんどだ。ニホンザルは雪の降る地域に住む極めて珍しい霊長類というわけだ。しかし、霊長類の化石は北米や欧州などより広域で発掘される。これが意味するのは、地球はかつて今よりも温暖な気候に覆われ、熱帯林がもっと広い地域に広がっていたことを示す。


■参考文献
『ヒトはどのように進化してきたか』  ロバート・ボイド、ジョーン・B・シルク 松本晶子・小田亮訳(ミネルヴァ書房、二〇一一年)原著二〇〇二年

『サル学なんでも小事典―ヒトとは何かを知るために』  京都大学霊長類研究所編(講談社、一九九二年)

『新・霊長類学のすすめ』  京都大学霊長類研究所編(丸善出版、二〇一二年)

『霊長類進化の科学』  京都大学霊長類研究所編(京都大学学術出版会、二〇〇七年)

「研究所・世界の霊長類、その歴史、現生種の系統図、写真」  京都大学霊長類研究所
https://www.pri.kyoto-u.ac.jp/PRI-QandA/BKeitouju.html

関連知識カード:気候変動で広がった霊長類の分布

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(上)「社会」の学としての霊長類学』を構成している「知識カード」の一枚です。

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