新古典派経済学における労働価値説と効用価値説の接合

労働価値説と効用価値説を接合し、新しい経済学の枠組みを成立させたのが、マーシャルである。

マーシャルは、『経済学原理』において、労働を含む生産要素の条件に基づき、各生産企業が利潤を最大にするように市場への生産物の供給が決定される一方、各消費者が効用を最大にするように市場の生産物の需要を決定し、需要と供給が市場で一致するように価格が調整するという枠組みを提示した。

これが、現在主流となっている新古典派経済学と呼ばれる経済学である。※I):古典派経済学が重視した供給側の条件と、限界革命で重要視された需要側の条件のどちらが、生産物の価値を決めるかという問いは、はさみの上の刃が切るのか下の刃が切るのかを議論することに等しいと、マーシャルは述べている。

■参考文献『経済学原理』  アルフレッド・マーシャル 原著一八九〇年


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I. :古典派経済学が重視した供給側の条件と、限界革命で重要視された需要側の条件のどちらが、生産物の価値を決めるかという問いは、はさみの上の刃が切るのか下の刃が切るのかを議論することに等しいと、マーシャルは述べている。