この急激な身体の成長が、青年期の人類祖先に身体的および精神的なストレスを与えた可能性がある。
幼年期と青年期の登場は、父親や両親以外の個体による子供の世話と共同育児を必要とし、その結果として、人類固有の社会組織である「家族」と「共同体」、そして共感性が誕生したと考えられはしないだろうか。
(第2回 山極壽一(霊長類学):サル、ゴリラ研究から現代社会を考える(提言編) | ナショナルジオグラフィック日本版サイト https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/18/071000013/091800004/?P=2)
■参考文献
『家族進化論』第五章・第一節 ダーウィンの難問 山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)
「こころの起源―共感から倫理へ」 山極寿一(『<こころ>はどこから来て、どこへ行くのか』所収 [一五五~二〇〇ページ] 河合俊雄・中沢新一・広井良典・下條伸輔・山極寿一(岩波書店、二〇一六年)
★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。
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