言葉は世界を分節化する

ソシュールは、言葉は世界を分かつ(分節化)道具だと説明しました。

言葉は人間同士の場合、特に同じ環境で育った場合にその意味が通じやすい、ということがあります。たとえば「上下関係」と言った場合、地球上では上下があらゆる場所で定義されるので、どの国であっても「上下関係」を表現する言葉となります。

このように言葉の中には、知らず知らずのうちにその人間が生きる環境のメタファーが含まれて行きます。宇宙の無重力で育った子供には上下関係のメタファーは通じないことでしょう。言葉と世界の認識は深く結びついているのです。


■参考文献
比喩と理解 (コレクション認知科学)』  山梨 正明 二〇〇七年

ソシュール 一般言語学講義: コンスタンタンのノート』  フェルディナン・ド ソシュール 原著一九〇五年

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
人工知能と人工知性

アイカードブック(iCardbook)