フィンテックとワクフ(その2)

まず、ワクフ・ワールドは、ホームページ上でいくつかのワクフ事業を提案する。それを見た人は、自分の好みに応じてどの事業にお金を出すかを決め、オンライン決済でワクフ・ワールドに送金する。目標の金額まで資金が集まったら、ワクフ・ワールドはそれぞれの事業の担い手(ワクフ資金の管財人)に資金を渡す。

その際、その資金の使途や事業からの利益をどこにどのように分配するかを決める。そして、事業の担い手たちは、事業から利益が出たら、ワクフ・ワールドとの取り決めどおりに資金を分配するのである。ワクフ事業は、教育や職業訓練といった社会貢献事業のみならず、中小零細企業支援も含まれている。

参考文献:
長岡慎介「フィンテックが可能にする新しいイスラーム型SMEファイナンス」『商工金融』2020年9月号、62-65頁、2020年. https://shokosoken.or.jp/shokokinyuu/2020/09/202009_all.pdf

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



【紙派のかたはこちらをどうぞ】

◎iCardbookの商品ラインナップはこちらをクリック