資本主義のフロンティアの消失

資本主義の地球全体への浸透(グローバル資本主義化)は、資本主義の存立・成長の源泉である周縁=フロンティアが消失し、産業資本主義的な違いによって富を獲得することが難しくなることを意味している。もちろん、21世紀の現在でも先進国と途上国の不平等な関係は続いているが、植民地期のような莫大な富の獲得手段としてこの関係を利用するには限界がある。また、低廉な労働力と原材料を目当てにした企業のアジア・アフリカ諸国への進出も、これらの国々の経済成長による生産要素の価格の上昇によって、違いを利用したお金儲けは難しくなりつつある。

参考文献:
新版 史的システムとしての資本主義』  I・ウォーラーステイン 川北稔訳(岩波書店、1997年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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