マルチチュードとは、多様な諸個人が、共通の目的のためにゆるやかなネットワークとして相互作用する政治的プロジェクトのことである。
それは「政治的プロジェクト」を意味する点において、見田の言う響き合う「交響体」とはややモチーフを異にするが、しかしそれが公的でも私的でも市場的でもない「共」的なものであるという点において、第四の圏域の一種といえるように思われる。
■参考文献
『マルチチュード――〈帝国〉時代の戦争と民主主義(下)』 アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート 原著二〇〇〇年
『マルチチュードの文法 : 現代的な生活形式を分析するために』 パオロ・ヴィルノ 二〇〇一年[編集部]
★この記事はiCardbook、『自由の相互承認—— 人間社会を「希望」に紡ぐ ——(下)未来構築の実践理論』を構成している「知識カード」の一枚です。
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