子どもに手がかかる種に食物分配が現れた

類人猿は子ども成長に時間がかかる。マーモセット類は一度に双子や三つ子を産み、年上の子どもやオスが子育てに参入して共同で子育てをする。これらの種に食物分配がよく見られるということは、子育てに負担のかかる種に食物分配が現れるということを示している。


■参考文献
『家族進化論』第二章・第十七節 食物の分配と共食  山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)

「こころの起源―共感から倫理へ」  山極寿一(『<こころ>はどこから来て、どこへ行くのか』所収 [一五五~二〇〇ページ]  河合俊雄・中沢新一・広井良典・下條伸輔・山極寿一(岩波書店、二〇一六年)

関連知識カード:(上巻)食物分配をするサル、しないサル

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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