目をやると窓の向こうに道があります。道をゆけば海があり砂浜が続いているはずです。
しかし砂浜があると思っていたがとうの昔に護岸になっていることもあるでしょう。見てしまえば、たしかに実在は否定されますが、イメージしていた経験は残ります。
思惟すること、精神を活動させること、それはそれ自身固有の現象であり、世界の実在とはある程度独立して、経験となります。現象学は経験から出発します。どんな前提もなしに、経験をまず出発点として、世界のさまざまな有形・無形なものを記述し、探究して行きます。
■参考文献
『デカルト的省察』 エトムント・グスタフ・アルブレヒト・フッサール 原著一九三一年
★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。