マックス・ウェーバーの経済と宗教

マックス・ウェーバーは『プロテスタントの倫理と資本主義の精神』のなかで、近代資本主義と経済との両義的な関係を指摘し、「禁欲」というプロテスタンティズムのエートス(倫理)から資本主義の精神が生まれた、と主張した。つまり、プロテスタンティズムという宗教の鬼っことして近代資本主義が生まれたというのである。

そして、ウェーバーは、ひとたび近代資本主義が生まれるや、その精神のもとで営まれる社会は不可避的に「世俗化」に向かうと主張した。現在、われわれの社会はウェーバーが予言したように、「世俗化」され、経済は宗教とは無縁とする考えが主流となっている。しかし、それは正しいのであろうか、あるいは好ましいのであろうか。

参考文献:
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(岩波文庫)』 マックス・ヴェーバー 大塚久雄訳(岩波書店、1989年)
宗教社会学論選』  マックス・ヴェーバー 大塚久雄・生松敬三訳(みすず書房、1972年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


◎iCardbookの商品ラインナップはこちらをクリック