「動物化」の道

「自由であることの苦しみ」がもたらす第二の道は、「動物化」の道である。

政治的「自由」や生き方の「自由」を得た現代のわたしたちは、今やそのつどの欲求を瞬間的に満足させられる、いわば「動物的」欲望に喜びを見出し生きていければそれで十分幸せなのだ。

■参考文献
『歴史の終わり〈下〉「歴史の終わり」後の「新しい歴史」の始まり』  フランシス・フクヤマ 原著一九九二年

『ヘーゲル読解入門―『精神現象学』を読む』  アレクサンドル・コジューヴ※I):モスクワ生まれ(一九〇二~一九六八年)。ロシア名はアレクサンドル・ウラディミロビッチ・コジェブニコフ。画家のワシリー・カンディンスキーは叔父にあたる。ロシア革命の勃発した一九一七年にドイツに亡命、一九二八年フランスに移住。パリ高等研究院で一九三三年から三九年まで行われた、「ヘーゲル『精神現象学』について」の講義はジャック・ラカン、ジョルジュ・バタイユ、レイモン・アロン、エリック・ヴェイユ、ロジェ・カイヨワ、メルロポンティ、アンドレ・ブルトンなどが聴講、後のヨーロッパにおけるヘーゲル復興に大きな影響力を与えた。[編集部註] 原著一九四七年

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I. :モスクワ生まれ(一九〇二~一九六八年)。ロシア名はアレクサンドル・ウラディミロビッチ・コジェブニコフ。画家のワシリー・カンディンスキーは叔父にあたる。ロシア革命の勃発した一九一七年にドイツに亡命、一九二八年フランスに移住。パリ高等研究院で一九三三年から三九年まで行われた、「ヘーゲル『精神現象学』について」の講義はジャック・ラカン、ジョルジュ・バタイユ、レイモン・アロン、エリック・ヴェイユ、ロジェ・カイヨワ、メルロポンティ、アンドレ・ブルトンなどが聴講、後のヨーロッパにおけるヘーゲル復興に大きな影響力を与えた。[編集部註]